新刊本を本屋さんで見つける喜び
伊坂幸太郎の二年ぶり書き下ろしの新刊が、11月末に出るという情報は知っていました。6年生の長男がハマっている作家です。
いつも行く町の本屋さんで、ついに発売になったのを見つけました。
学校から帰ってきた長男に、早速報告。「ウソ!」と言って、すぐに買いに行きました。ホクホク帰ってきて、すぐに読みたいのを我慢して、宿題と日課のトレーニングをすませ、満を持して読み始めました。
タイトルも、カバーデザインもわからない新刊、待ちわびた本を本屋さんで発見した時のドキドキ、帰り道のワクワクを味わったことだろうと思います。彼にとって、大切な大切な一冊です。
僕が覚えているのは、村上春樹の短編集『中国行きのスロウ・ボート』が発売になったときのことです。新聞か雑誌に、タイトルと発売日が告知されたのですが、発売日の前日、たまたま神戸の三宮におり、「まだ発売になってないだろうな、でももしかして……」と、ジュンク堂三宮店をウロウロしていたら、新刊台に平積みになっているのを見つけました。嬉しかったなぁ。
改装前で、まだ薄暗い印象だった、ジュンク堂三宮店。
関西にいた頃、梅田に出るといつも、紀伊國屋書店の「新進作家」コーナーに立ち寄るのが楽しみでした。村上龍、村上春樹、山川健一、橋本治、金井美恵子、伊藤比呂美などが印象に残っています。
田舎から出てきた僕にとって、都会の象徴のひとつは、紀伊國屋書店梅田店でした。
一番よくのぞいた本屋さんは、住んでいた西宮北口にあった、ブックスシオサイという本屋さん。狭い店だったのですが、気になる新刊やコミックが厳選して置いてあって、とても好きでした。大友克洋や高野文子のコミックとは、ここで出会いました。
この本屋さんが平積みにしているなら読んでみようかな、という安心感がありました。当時としては珍しく、喫茶店併設だったのですが、高かったので入りませんでした。
バイト代が入ると、ブックスシオサイで一冊本を買って、向かいの酒屋さんでビールを買って帰るのが僕の贅沢でした。
今もあるのかなぁ、ブックスシオサイ。
子ども達には、やっぱり本屋さんに行ってほしいな、と思います。思いがけない本に店頭で出会う喜びと興奮は、ネットで検索するのとは違うものがあると思うからです。
本屋さん、がんばってください!
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コメント
めちゃめちゃローカルなお話!
「シオサイ」は今もありますけど
近くにジュンク堂ができてから軒並み小さな書店はつぶれてしまい、ここも書店部門をやめてしまいました。
あそこは児童書が充実していて
私もよく通いました・・・というか
裏にある幼稚園に娘が通っていたから
いつも覗いてました。
オーナーにこだわりがあって、他にはない
良書があったのに残念です。
今は半分がセルフサービスの安めのコーヒーショップで半分が喫茶&パスタ屋さんです、美味しいです。
向かいの酒屋さんも震災で大変でしたけど
綺麗に再建されてます。
震災のときに倉庫にある品物を全部無料で配ってくれて、主人と娘がここから水を貰ってきました。
最近入ったことないのですが
おばちゃん、元気かな?
投稿: 小径 | 2007.12.03 11:35
あー、そうですか、書店はなくなっちゃたんだ。ジュンク堂できましたもんねー。公設市場がなくなったんですよね。
シオサイのところの教会のバザーで、ジャケットとかネクタイとかよく買ってましたよ。
裏に幼稚園……あったような気がする。
すれちがってたかもしれませんね!
投稿: まろ | 2007.12.03 13:35
その教会付属の幼稚園です。
教会のバザーって、お祭りのことかしら?
本当に同じ空間にいたかもしれないですね。
不思議です。
投稿: 小径 | 2007.12.03 19:27
ああ、あの教会に付属の幼稚園ですか。
バザーのとき、係りの男性が「暑くてネクタイはずしたら、お客さんに買われてしまった…」と笑っていました。
懐かしいですねぇ。
投稿: まろ | 2007.12.03 22:41