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2012.11.05

読んでから観る『鹿男あをによし』

万城目学の小説、『鹿男あをによし』をようやく読みました。

『鴨川ホルモー』、『ホルモー六景』はしばらく前に読んでいました。その破天荒な物語は、読み手の不自然な気持ちよりも早く、大きく展開し、気がついたら「万城目学ワールド」に引き込まれてしまっている、そんな作品でした。

「ファンタジー」というジャンルは、僕は苦手だ。
と自分で決めつけていたのですが、そんな狭い了見をぶっとばしてくれる、スゴイ作品でした。

だから、2008年1月から放映された『鹿男あをによし』のテレビドラマも、「絶対に原作を読んでから観た方がいい」、「あの世界を、映像で表現するのは、そうとうムリがあるだろう」と勝手に解釈し、定点観測している「22:00ドラマ」であるのにもかかわらず、あえて観ていませんでした。

そして先日、ようやく『鹿男あをによし』を読んだ、というわけです。

「しまったぁぁぁぁ!」

感想は、それです。「なぜオレは、この本をずっと本棚に寝かせてしまって、もっと早く読もうとしなかったのだぁぁぁぁ!」
それくらい、おもしろかったんです。こんな気持ちになるなんて。
立て続けに『プリンセス・トヨトミ』も読みました。
そして、同様に「読んでから観よう」と思っていた、映画版『プリンセストヨトミ』も、借りてきて観ました。

そこで確信。『鹿男あをによし』は、万城目学の中でも、相当スゴイ!
『鴨川ホルモー』や『プリンセストヨトミ』がつまらないわけじゃないんですが、やっぱり、「衝撃」、「あっけにとられる展開」、「スケールの大きさ」、「スピード感」などで、『鹿男あをによし』が上かな、と。別に比べることに意味はないんですが。

実は、テレビドラマ版『鹿男あをによし』、はやく観てみたかったんですが、誰かが第一巻を借りっぱなしみたいで……。
ようやく観ることができたドラマ版、すごい! いいじゃん! おもしろいじゃん!

原作では男性だった役柄を、綾瀬はるかにやらせた時点で、勝負はついていたのかもしれません。CGが気にならないのは、やっぱり原作を先に読んだせいでしょうか。違和感なかったですね。
剣道のシーンは、なまじ自分がやっていたせいで、どうしても気になってしまうのですが、演出を損ねない範囲できちんとしているな、と思いました。多部未華子、がんばりました。
主演の玉木宏をはじめ、柴本幸、佐々木蔵之介、そして児玉清。いいです!
オリジナルから変更した部分もありましたが、それも気になりませんでした。(ちなみに、故・児玉清さんは、本作出演後に刊行された『鹿男あをによし』文庫版で、解説を書いていらっしゃいます。)
そして、オリジナルの音楽もとてもすばらしい。すごく力が入っていて、とても効果的だと思いました。

しかし。問題は「大地震」が大きなテーマになっていること。
原作が最初に出版されたのが2007年。ドラマ化が2008年。当時としては、この程度の表現はまったく問題なかったんだろうなぁ、と感じるくらい、けっこう揺れるシーンがあります。さすがに僕も、気になってしまいました。
「2011年3月9日より、宮城県(仙台放送)にて再放送(16:00-16:54)を行っていたが、2日後の東北地方太平洋沖地震の影響を受け、3/10の第2話を放送した時点で打ち切りとなる。」(Wikipedia)とのこと。

これは、ドラマの再放送はなかなか難しいでしょう。
しかしそれは、作品としての質を貶める問題ではないと思うのです。むう、残念というかなんというか。気になる方は、借りてきましょう。

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コメント

万城目ファンがこんなところに!!\(^o^)/
随分前に書店の平積みで「鴨川ホルモー」の表紙絵に魅かれて読んでみたときから一気にその世界に引き込まれていきました。

「鹿男・・・」私もドラマ見ていません。がっかりするだろうと思ったのですが
そうでもないんですね?

「プリンセストヨトミ」も映画見ていないのですけど、映画だけみた友人はとっても面白かったと言っていました。

「ホルモー六景」では何と泣いてしまった私ですが、初めて「ホルモー」を読んだときにはあの「鬼」が見たくてDVDを見ました。結構よくできてましたね。

「鹿男・・・」借りてきてみようかな・・・

投稿: 小径 | 2012.11.06 09:47

私も万城目ファンです!!
初めて読んだのは『鹿男あをによし』だったのですが、その一冊ですぐにファンになり、『鴨川ホルモー』をすぐ買いに走り、それから新刊が出るとすぐに買って読んでいます。
文庫はチェックしていませんでしたが、児玉清さんが解説を書いてらっしゃるのですか!児玉さんも大好きなので、是非探して読みたいと思います。

私も剣道をやっていたので、『鹿男…』にはとっても入り込んでしまいました。ドラマの多部未華子ちゃんも良かったですよね。
このドラマ、放映時には私の周りではあまり話題に上らなかったようでしたが、オープニングの映像も良くって、ワクワクしながら観たのも覚えています。

小径さん、(横レスすみません)私も『ホルモー六景』で泣きましたー。

つい先日、万城目学の本を全部、読んだことのない友人に送ってしまったのですが、また読みたくなってきました。困ったなー。
とりあえず、文庫を探しに行ってみます。

投稿: ぶんぶん8 | 2012.11.06 12:44

小径さん

「鹿男」も「トヨトミ」も、読んでから映像は、ありだと思いますよ。
たしかに原作がぶっ飛んでるんで、苦労したとは思いますが。
どちらも、綾瀬はるかがとってもいい感じです。

投稿: まろ | 2012.11.06 15:24

ぶんぶん8さん

ドラマの「鹿男」、よかったですよねー。オープニングの中井貴一のナレーションもよかったし。
あと、学年主任役の篠井英介。嫌味な感じがよかったですねー。

夏目漱石の「坊ちゃん」がモチーフなんですよね。って、あんまり書いちゃうとネタバレしそうだ……。

投稿: まろ | 2012.11.06 15:28

ぶんぶん8さん>「ホルモー六景」・・・泣きましたか!!同じ感覚の方がいて嬉しいですヽ(^。^)ノ

この話をしてたらまた読みたくなりました。
読んでみよう(^◇^)

投稿: 小径 | 2012.11.06 19:17

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