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2014.03.07

高校卒業式の祝辞をやってみた(2)

今日は長男の高校卒業式。
昨年に続いて、今年も祝辞を読みました。
すばらしい式でした。泣けたよ。

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卒業生のみなさん、今日は「おめでとう!」と、いろんな人から言われると思います。
ところで、卒業って、なんでしょう? 学校を卒業するって、なにが「おめでとう」なんでしょう?
卒業とは、ひとりで旅に出ることです。これまでみなさんは、家や学校という、あらかじめ用意された居心地のよい場所にいました。今日をもって、みなさんは、今までよりもずっと広くて、大きな「社会」に、ひとりで旅に出るのです。
旅先では、いろいろな人に出会うでしょう。年齢も、肌の色も、言葉もバラバラです。今までに経験したことのない、困難や悩みにもぶつかるでしょう。
はじめて見ること、はじめて聞くことも多いでしょう。とまどうでしょう。どちらに進んだらいいのか迷うこともあるでしょう。
しかし、それこそが旅なのです。たくさんのことを感じてください。考えてください。

旅に出ないとわからないことはたくさんあります。旅には出た方がいい。そして、ようやく大人になるのです。
だから、いままさに旅立とうとするみなさんへ贈る言葉は「おめでとう」よりも「行ってらっしゃい」のほうがふさわしい。

行ってらっしゃい。
旅立つみなさんに、旅の先輩として、ヒントをひとつだけ伝えておきます。それは、「苦労イコール不幸ではない」ということです。
苦労してください。それこそが、旅の醍醐味です。苦労がみなさんを大人にするのですから、逃げてはいけません。世渡り上手な大人ではなく、たくさんの苦労を味わった大人になってください。
でも、どんなに苦労をしても、君たちは絶対に不幸じゃない。なぜなら、君たちの仲間が、旅立ちを応援してくれる人たちが、心配してくれる家族が、こんなにいるからです。「苦労イコール不幸ではない」。そのことは忘れないでください。

教職員のみなさま。3年間この子たちを見守り、愛し、育てていただいて、ありがとうございました。親にはできないご指導、教育をしていただいたおかげで、やっと、ひとりで旅に出ることができます。心から、感謝申し上げます。

保護者のみなさん。この子たちが生まれる直前。思い出してみましょう。1995年の日本は大変な年でした。1月の阪神淡路大震災。3月の地下鉄サリン事件。「ずいぶん大変な世の中に、お前は生まれてくるんだな」と思ったことを覚えています。
それぞれに、いろいろなことがあったと思います。しかし、見てください。彼らは立派に育ちました。
今までは隣で手をつなぎ、手を引いてきた子どもたちですが、今日は背中を押してやる日なのかもしれません。
ずいぶん大きくなりました。子育ては、誰からもほめてもらえない仕事です。まだまだ手がかかるかもしれませんが、今日一日は、親同士、ほめあいましょう。みんな、がんばったよね。すごいよ。
昔から、かわいい子には旅をさせろと言います。彼らが、もし疲れたり、もう帰りたいと思うときがあるのなら、いつでも迎え入れて、ゆっくりさせてやりましょう。そして、また背中を押して送り出しましょう。

じゃあ最後にもう一回言うよ。卒業生のみなさん、今日は旅のはじまりの日だ。
「行ってらっしゃい」。

平成26年3月7日

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コメント

子供いないのに
なけた。。

こんな風に言葉にしてくれるご家族代表の方がいてくれて、子供達もご家族の方々も心地よかったでしょうね。(^^)

ちなみに来月社内異動が決まり、全然業務内容がかわります。
私もいまの部署から行ってきます、なタイミングでした。
こんな風に見送ってもらえたら、嬉しいなー

投稿: なかにし | 2014.03.10 16:58

なかにしさん、式の一カ月前くらいから、悩んで悩んで原稿を書きました。
子どもたちや、保護者、教職員の方々に、伝わればいいなー。

投稿: まろ | 2014.03.10 16:59

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