« 2016年10月始まりの22:00ドラマ | トップページ | 『騎士団長殺し』を買いに行こう!(2) »

2017.03.08

『騎士団長殺し』を買いに行こう!(1)

村上春樹の7年ぶりの長編新作、『騎士団長殺し』が発売されました。第一部と第二部、2冊同時の発売です。
もっともっと多くの人に手に取ってもらいたいと思います。

【読み終えて】
ここでは、僕自身の読後感は控えます。
事実として僕は、第一部の2/3くらいまで読むのに5日かかりました。残りの1/3と、第二部は3日弱で読み終えました。
最初のほうはなかなか読み進めませんでした。しんどかった。
しかし、その後はイッキに読み進みました。久しぶりに寝るのが惜しいくらいに。

【なぜこの本をすすめるのか】
書店店頭をあれだけ派手に飾ることができ、発売日がニュースになるという小説家は、現在の日本においては村上春樹だけだと思います。

僕は、「それだけ話題になるもの」は「読んでおいた方がいい」と思います。なぜなら、それが今現在の日本の文化だと思うからです。
読み終えてから、好きとか嫌いとか、よかったとか、がっかりした、とか言うほうが建設的だと思います。
あまりよかったと思えない場合「では、なぜ一部の人たちはこのつまらない小説をめぐって大騒ぎをしているのか」を考える材料になるはずです。

本を読むということは、脳に刺激を受けることだと思います。それが良質であろうとなかろうと、まず刺激を受けることが前提だと、僕は思います。
さらにいえば、本を買うことは、「知的なお賽銭」を払うことだと思っています。願いが叶うか(おもしろかった!)、叶わないか(つまらなかった!)は、どちらも起こります。ただ結果は、お賽銭を払った人にしかわからない。
買ってみること、読んでみることからしか、何も始まらないと思うのです。

【アマゾンレビューについて】
検索していただけるとわかりますが、アマゾンのレビューにはかなり「否定的」な感想が書き込まれています。
その中には、「南京大虐殺」にかかわる書き込みが非常に多いです。「歴史的認識が間違っている」→「したがって本書は悪書である」という論理です。
これは、おかしいと思う。
原稿用紙(というかワープロの画面)上では、誰しもが平等に自由であるべきです。そして、自由な発言からしか、自由な議論は行われないと思います。

また、名のある小説家なのだから「社会的責任」があるはずだ、という意見もおかしいと思います。
そもそも、小説家に「社会的責任」を期待するべきでしょうか?
少なくとも僕は、「社会的責任」にしばられた表現など、あまり見たくありません。
ところでなぜネット上だと多くの人が平気で「国賊!」と言うのでしょうね。ネトウヨというものでしょうか。
小説は小説。それ以上の、またはそれ以下のなにものでもないと思います。


【アンチ村上春樹のみなさまへ】
ひとりの小説家を、好きになろうが嫌いになろうが、それは読者の自由です。「村上春樹って、なんか苦手」「なぜそんなに騒ぐのか、よくわからない」という考えを抱くことについて、僕にも想像ができますし、けっして非難するつもりはありません。

しかし、今回『騎士団長殺し』発売にあたって、「アンチ村上春樹」の声がいっせいに広がっているように感じています。
「実は、受け付けないんだよね」「そうそう、ホントは私も!」というニュアンスが、SNSを中心に妙に広まっている気がします。
(例)
「かっこつけてんじゃねえよ!」 太田光、村上春樹批判の徹底ぶり2017/2/24 J-CASTニュース

ただ、もしかしたら、今まで村上春樹と聞いただけで拒絶した人が、この本をきっかけに一転して好きになるかもしれません。この本だけは好き、という人もいるかもしれません。
そういう可能性があるかぎり、「苦手だけど、読んでみる」ことには意味があると思います。読んでもやっぱり「ダメ」かもしれません。
しかし、それも読書のたのしみのひとつではないでしょうか。
ひとりの小説家を、名前だけで「嫌いだから読まない」と、あまり頑なに決めつけるのは「もったいない」気がします。


※日をおいて、(2)を書くかもしれません。それは、もっと生々しくて嫌らしくて現実的な視点から『騎士団長殺し』を買いに行こう、と主張するものになるはずです。

|

« 2016年10月始まりの22:00ドラマ | トップページ | 『騎士団長殺し』を買いに行こう!(2) »

コメント

まろさん
素晴らしい文章ありがとうございます。
全く同感です。
今読んでるのは、古井由吉「ゆらぐ玉の緒」ポール・オースター「冬の日誌」です。

投稿: 佐藤真人 | 2017.03.21 02:36

真人さん、コメントありがとうございます。
僕はまだまだ、海外小説、歴史小説、古典文学など、「手つかず」のジャンルがたくさんあります。
老後の楽しみにします。

投稿: まろ | 2017.03.21 10:12

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/82042/64988748

この記事へのトラックバック一覧です: 『騎士団長殺し』を買いに行こう!(1):

« 2016年10月始まりの22:00ドラマ | トップページ | 『騎士団長殺し』を買いに行こう!(2) »