ブルーズな日々

2015.12.31

ひかり号と小川洋子の相性について

2015年、大晦日。
新幹線の中でブログを書いています。

今回の帰省は、子どもたちを残して僕ひとり。
それもあって、またもろもろあって、ついついチケットをとるのが遅れ、いつもののぞみ号ではなく、ひかり号に乗っています。
ほう、熱海ですか。

ひかり号ののんびりした(ものすごく時間がかかるのですが)座席で、小川洋子のエッセイを読むのは、気分がいいものなんですね。

僕は乗り物の中で字を読むと、すぐに酔って気分が悪くなります。
乗り物酔いは、三半規管が関係するそうですが、そういえば、文字を読んだり書いたりするときに、音楽を聴くこともできません。
関係在るのかどうか、よくわかりませんが。

なので、いつも長距離の移動で本は読まないのですが(ほとんど寝ています)、今回の「ひかり号と小川洋子」は、今のところ大丈夫そうです。
ふだんの近場の電車移動では本が読めるもんなあ。
このへん、あんまり科学的ではありません。

まあ、そういうことで、みなさま、よいお年を。

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2015.06.20

カチンときた

「カチンとくる」「カチンときた」「カッチーン!」などなどの表現がありますね。
「カチンがきた」「カチンがくる」とはいいませんね。
なぜ「カチン」の後には「と」という助詞しか続かないのでしょう?

「と」が続くということは、「カチン」の他に、もうひとつ何かがある、ということではないでしょうか。

カチンには、妹がいます。「コチン」です。
兄のカチンは、気が短くて、いつもぷりぷりしています。
何かあるたびに、すぐに「カッチーン!」。

妹のコチンは、おおらかな性格で、いつもニコニコしています。
穏やかな心をもっていて、「お兄ちゃん、そんなにカリカリしなくても……」と、いつもなだめています。

腹がたって、兄のカチンが頭から湯気を出しているときでも、たいがい妹のコチンは冷静です。
カチンが現れたとき、かならず近くにコチンもいるのです。

しかし、そんなやさしいコチンも、怒るときがあります。
兄妹が、一緒になって腹をたてるのですから、よほどのことです。

「カチン! コチン!」
は、とんでもない事態なわけです。こうなってしまったら、誰も兄妹をとめることはできません。

誰の中にも、カチンとコチンはいます。
カチンはわかりやすいのですが、コチンは何のためにいるのでしょう?
そこで、人々はコチンに尋ねます。
「きみ、誰と来たの?」
「カチンときた」

だから、「カチンがきた」でも「カチンがくる」でもなく、「カチンときた」なのです。

実はこの兄妹を題材にした、「カチンときた!」というアニメ番組が、昭和の時代に作成されたことがあります。
毎回クライマックスでは、あまりに理不尽な事態に、兄妹が一緒に怒ります。
「カチン! コチン!」
まあ、水戸黄門の印籠のようなものです。

手塚治虫先生も絶賛したというこのアニメ番組、開始直後に打ち切りとなったため、ほとんどの人がその存在を知りません。
なぜ打ち切りになったのか。
残念なことに、キメ台詞の「カチン! コチン!」の中に、放送するのには不適切な単語が隠されていたからです。

幻の名作、「カチンときた!」はいまでは誰も見ることができません。
ただ、「誰の心の中にも、カチンとコチンがいる」ということは、時代を超えた真実なのです。

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2015.01.08

ラグビー

ラグビーといっても、新春に盛り上がるあのラグビーの大会のことではありません。

突然、思い出したのです。

大学1年生の教養課程の体育の授業。
たまたまラグビーが専門の先生だったようで、1年間授業でラグビーをやりました。

あのラグビーボールを持つのは初めてでした。
ルールもよくわかっていませんでした。

たまたま同じクラスに、高校でラグビーをやっていた人が何人かいたので、その人たちを中心にゲーム、らしきものをするのがあたりまえになりました。

僕は、根本的に球技というものが苦手です。
野球はバットに当たりません。守備をしているときも、ひたすら外野で「自分のところには飛んできませんように」と祈って過ごしています。

バレーボールやバスケットボールは、どうしても身長と身体能力がネックになって、活躍なんてとてもとても。
ひたすら、うまい人のじゃまにならないことを心がけてきました。

高校のサッカーの授業では、たまたまゴール前でひとりでボールを持ってしまい、キーパーと1対1の場面で、緊張のあまり思いっきり空振りをし、みんながずっこけました。

ラグビーの授業も、同じように、経験者の指示にしたがい、「あっちへ並べ」と言われたら並び、なんとなくルールがわかってくると、ラインに入って走っていました。
でも、チームの役に立ってる感じはまったくしませんでした。

1年もやっていると、だんだん見えてくるものがありました。
経験者が指示するラインのつくり方に、僕なりに「穴」があるような気がしてきたのです。
「反対サイドにも、ひとりいたほうがいいんじゃない?」
そこで、僕はさりげなく、みんながラインを作っている反対サイドに、「さりげなく」着くようにしてみました。
もちろん、そんなところにボールが来ることはまずないので、時間中、ただひたすら「影」のように走って、毎回ボールに一度も触ることなく、授業は進んでいきました。

しかし、1年が終わりに差し掛かる頃、たまたまモールから出たボールが、僕がひとりしかいないサイドにポロッと出てきました。
うまくキャッチして、ひたすら走りました。
ラインの目前で後ろから追いつかれてタックルを受けましたが、必死でトライしました。

実は、あのとき、正確にはラインのあと10cmくらい手前にボールを置きました。タックルで倒されたから。
でも、先生はトライを認めてくれました。
タックルをした相手は抗議しましたが、先生は、
「今のはナイスプレーだったから、トライ成立」
「しかしお前、いいところにいたなあ」
と声をかけてくれました。それまで、いてもいなくてもどうでもいい存在だったのにね。

草ラグビーです。しかも、正確にはノートライ。
でも、自分が考えて、自分で動いたことが、曲がりなりにも結果を出し、認めてもらえた。
そのことがうれしかった。

僕はたぶん主役を張るタイプじゃない。
主役を引き立てる。または、みんなが見逃しているところを、念のために押さえておく。
そんな役割なのだろうと思います。

年頭にあたり、古い古い記憶が突然よみがえったのは、やはり年初めだからでしょうか。
僕には僕の役割があるはず。
たとえ認められなくても、気づかれなくても、感謝されることはなくても。
今年もそんな生き方でいいいのだと思います。

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2014.07.01

「英語対中国語」第三次世界大戦勃発

全世界が注目する中、オバマがホワイトハウスに設置されたデスクトップパソコンのマウスをクリックしたのが、すべてのはじまりだった。
「やーい、漢字しか使えないチャイニーズ! ハシでヌードルでも食ってやがれ!」
50カ国語以上に翻訳されたオバマのツイートが、地球上をかけめぐった……。

21世紀の戦争は、銃を使わなかった。醜い争いは、光ファイバーを通じて世界中の液晶画面の中で行われたのだ。国境はない。あるのは言語の違いだけだ。英語か? 中国語か?
もちろん、中国語も黙ってはいない。中国共産党名で、すかさず以下のツイートが発信された。
「米国さん。中国は、フライドチキンは、犬も食わない」
第三次世界大戦は、まさにインターネットを使った攻撃、いや「英語対中国語」の口撃合戦に発展した。翻訳ソフトの性能が追いつけないほどの低レベルの争いを「グーグル対百度の代理戦争」と言い表した評論家も現れたが、どっちがどっちの代理なのか、もはや誰にもわからなくなっていた。

世界中の端末画面が、この大戦に飲みこまれた。もちろん、オタク大国、日本とて例外ではない。
「キタ―――(゚∀゚)―――― !!」
「ナイス、チャイナwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
「オバマ、ネ申」
ニコ生の画面上に日本語のツッコミが、さながら機関銃の乱掃射のごとく飛び交い、ブラインドタッチができないものはあまりの速度について行けず、沈黙した。

2014年初夏。ときはまさにサッカーワールドカップの真っただ中。母国が予選リーグであっけなく破れ、「あの早起きはなんだったんだろう?」と、いまだに体内時計が狂ったままの日本人たちは、理性を失っていた。
予選敗退に思いがけず商機を逃したスポーツパブが、まず動いた。
「注目の米中中傷合戦、生中継中!」
パブリックビューイングだ。「リーマン」や「ガクセイ」が群がった。
「いったらんかい、英語! やったれやったれ!」
「中国語、負けんな! 勝ったら北京ダック食わせてくれ!」
しかし、閉店の時間とともに自主的に店内のゴミを拾い、整然と並んで店を出る日本人の姿を見て、
「まさに戦場に咲いた一輪の花だ。ジョンに見せたかった風景だ」
とポール・マッカートニーが語ったというウワサが流れ、英語派のロックファンを一瞬喜ばせたが、ポールは当時まだ腸閉塞で入院中だったとの情報もあったため、日本語版ウィキペディアでは「要出典」という扱いにとどまった。

事態は思いがけない方向に転じる。英語側が放った、
「ヘイ、ジャップはチャイナの番犬か? 集団的自衛権はどうした? カモン、TARO!」
という不用意な差別発言に対して、日本の西側が思わず反応した。
「太郎なら、さっきチャンさんが鍋にしとったで!」
プーッ! 日本中に失笑が漏れる中、あの声が響き渡った。
「山本、鈴木、佐藤。アウトー!」
あわてたのは、英語も中国語も同じだった。
「何故的?」
「ワッツ・ハプン?」
「絶対に笑ってはいけない第三次世界大戦」の幕が、正式に切って落とされた瞬間だった。
(続く)

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2014.06.23

脱毛サロンのかきいれどき

6月に入ると、電車の中の広告が、すっかり「トリンドル玲奈 vs. ローラ」の様相を呈しておりました。
脱毛サロン、夏本番直前、新規顧客獲得キャンペーンです。

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ともにキャンペーン期間は、6/1~30。「脱毛人気部位上位2カ所がセットで●●円!」
上位2カ所とは、わき、と、Vゾーンだそうであります。

身近な女子に聞いてみたところ、そういうところで脱毛してもらうというのは、比較的最近になってポピュラーになったのではないか、とのこと。
「Vゾーン」については、「水着を着る若い子が対象ね」とのこと。
たしかに、僕も明日ビキニの撮影があると言われたら、お手入れをするかもしれない。

6月中旬には、ローラの広告期間が終了。いまや、トリンドルの独壇場です。
一生懸命抜く人がいれば、一生懸命育てる人もいる。
どちらもお金がかかるわけです。

夕方、何気なくさわった自分の髪の毛。こめかみのうしろ、耳の上あたり。妙な感触があったので、指先であやしいヤツをとらえて引っこ抜いてみたら、びっくりするくらいきれいに縮れた髪の毛でした。

わかりやすく言いましょう。
まるっきり、陰毛。

陰毛って、生えたときから縮れてるんですかね?
生えてから縮れるんですかね?

毛って悩ましい。

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2014.01.28

ネコは吠えるか?

近所の、ほぼ毎日通る道に、野良猫たちがテリトリーにしている場所があります。
日向ぼっこをしていたり、草むらに座り込んでいたり。

僕は、ネコが嫌いなわけではありませんが、野良猫は基本的に無視します。
「気持ちよさそうだなー」「君たちにも大変なことがあるんだろうねー」などとは思いますが、撫でようとしたり、声をかけたり、ということはしません。

先日、その場所を通りがかったら、濃い茶と黒の、いつものネコが、いつもの道端にいました。
いつもどおり、ふつうに通り過ぎようとしたとき。
「ファーッ!」とネコが吠えました。威嚇、ってやつですかね。全身の毛を逆立てていました。

いやいや、なんにも心当たりないし。近寄ってもいないし。
なぜ君は、そんなに敵意をむき出しにするのか。釈然としませんでした。

ある人にこの話をしたら、「そのうち、”あの日はごめんなさい”って謝るんじゃない?」と言われました。
そしたら。
2~3日後、本当に謝られました。
夕方の暗い道の、真ん中に彼(彼女?)が座って、僕を待っていました。
どんどん近づくのに、逃げようとしません。目が合いました。「あ、あやまってる…」と思いました。
まあ、気が立つときもあるんでしょう。空のように広い心で許してやりました。

数日前です。
同じ場所を、普通に歩いていたら、そのネコが急に飛び出してきて、僕の目の前を走り抜けました。
が。
普通に歩いている僕のブーツのつま先に、コツン、と軽く接触したのです。
思わず「おまえはネコだろ!」と、声に出してツッコんでしまいました。

いくら顔なじみとはいえ、歩いている人間の前を走り抜けるときに、接触するって、ネコ科の動物としてどうなのよ?
そしてもうひとつ、それって、野良としてどうなのよ?

気まずい空気が流れました。
ネコが少し先で立ち止まり、振り返りました。
「見ニャかったことにしてくれない?」と言っているように見えました。
ダメだ。ブログに書いてやる。

というわけです。野生を忘れたら、アカン。


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2014.01.05

新年早々、有楽町の火事で帰省アウト! の巻

あけましておめでとうございます。

年末年始は、実家のある島根県安来市に帰省していました。
いろいろと、考えることの多い帰省でした。
中2の次男と、高1の姪っ子を連れて帰りました。長男と、もう一人の姪っ子は、大学受験生なので今回は居残り勉強です。

島根から市川へ出発したのは、1/3の朝でした。
08:00過ぎの「特急やくも号」に予定通り乗り、岡山へ。着いたのは、10:40くらいでした。
やくも号車内で、「東海道新幹線は、東京-品川間で火災発生のため、現在、東京-新大阪間で運転を見合わせ」とのアナウンスが。
何?
スマホでニュースをチェックすると、有楽町で火事があったもよう。「新幹線にも影響が出ている」とのこと。

岡山駅の、在来線・新幹線の乗り継ぎ改札は、人の山。
掲示板を見ると、「新大阪」行が、たまにポツリポツリと動くだけ。
さあ、困った。

どうやら、7時台から東京行きは止まったままの様子。われわれのチケットは、11:00過ぎ。順番に動いたとしても、おそらく早くても15:00過ぎにはなるでしょう。
また、通常3時間半かかるところ、さらに遅れるでしょうから、このままここで待っていても、東京着は早くても9時、10時にはなるでしょう。
しかも、その時点では復旧の見通しはまったく立っていませんでした。中高生を連れて、あてもなく待つ気にはなりませんでした。

この時点で選択肢は3つ。
・岡山から飛行機に乗る
・逆向きのやくも号で、島根に帰って、一泊する
どちらも、避けたいところ。飛行機も、今からではどうなることやら。

そこで、浮上したのが3つめ。
・岡山に一泊して、一日遅れで帰る

岡山駅構内でホテルを調べたところ、安いビジネスホテルがとれました。
「よし。今日はこのまま岡山に一泊します!」
「いやっほーい!」

ホテルに荷物を置いて、町中へ繰り出したのが、11時半くらい。
身軽になって、気持ちを切り替えて、観光だぁ!

まずは、岡山駅前のビブレが閉店セールを行っていたので、のぞいてみたら、ヴィレッヂ・ヴァンガードがセールをやっていました。ひゃっほーい!
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僕は、携帯灰皿を買いました。

天気がいい岡山の街をブラブラ。表町・天満屋あたりで、おせちにあきたわれわれが選んだ昼食は、パスタでした。
しかし、まだまだ子ども。彼らはロフトとか、ユニクロとかに行きたがります。まあ、いいでしょう。
シンフォニービルに近いアーケード商店街で、こんなCDショップを見つけて入りました。
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GROOVIN’。中古も扱う店のようですが、入ってみると……。うおおおおお!
これは、すばらしい! だって、憂歌団のCDだけで、幅10センチ以上ある! 80年代の日本のロックをはじめ、好みのジャンルがすばらしい充実ぶり!
まとめ買いしそうになりましたが、ぐっとがまんして、前からさがしていたロンウッドのCDを一枚だけ買いました。

ここでいったんホテルに帰ってチェックイン。セミダブルの部屋を3人で使います。次男には「小学生」になってもらいました。3角形。最終的には、僕が「底辺」に寝ました。

夕方、まずは岡山駅へ。翌日1/4の東京行きは、すでに終日満席、とのこと。指定席を自由席に変えてもらい、差額はキャッシュバック。
そのまま夕食は岡山駅で。いろいろお店を見て回って、結局韓国料理となりました。

明朝の朝食は新幹線車内で、と思ったのですが、駅周辺のコンビニのおにぎり、サンドイッチが軒並み売り切れ。
探し回って、ようやくローソンでゲットしました。

けっして熟睡できる環境ではありませんでしたが、10時過ぎには就寝。翌朝は、岡山06:00始発の新幹線の自由席狙いです。

そして、朝4時半起床。まだ暗い中、駅へ向かうと……。
ひぇ~、なんだ、この人たちは……。

岡山始発の自由席を狙って、すでに改札前には行列ができていました。並んで待つこと、50分。改札が開いたら、みんな走っています。が、なんとか、3人とも座ることができました。まあ、寒いホームで待つよりもずっとマシでした。
東京に着いたのは、9時半くらい。10時半には市川の自宅にたどりつきました。

まあ、後にして考えても、強行しなくて正解だったかな。
おもいがけず岡山観光もできたし。
それでも、疲れ果てました。やっぱり、昨日ムリしなくてよかった。

今年も、臨機応変でいきなさい、ということでしょうかね。

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2013.09.23

お彼岸のおはぎ

夕方、郵便物をポストに出しに行った帰りに、近所の和菓子屋さんに「おはぎあります」と書いてあるのに気がつきました。
10歩くらい通り過ぎたのですが、「むむっ」と思って引き返して、つぶあんのおはぎを3個買いました。

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お彼岸。
ご先祖さまのお墓は島根にあるので、お墓参りはできません。気持ちだけ、おはぎで許してください。

たぶん、僕のご先祖さまたちは、酒も飲むけど甘いものも大好きで。
きっと、おはぎを食べるだけでも許してくれるような気がするんです。

「わざわざ遠いところ、お金つかって帰ってこなくても、気持ちだけで伝わってるよ」
「子どもたちも元気そうだな。よしよし」
「でも、全員つぶあんか? わしは黄粉のおはぎがいいな」
「いやいや、おはぎは、こしあんでしょう」
「わしは、ごまのおはぎも好きだな」
「あら、何言ってるんですか、いつもあんこのばっかり食べてたでしょう」
「まあ、飲め飲め」

そんな会話をしている気がする。いや、しているに違いない、という確信があるんです。
みんな、笑ってる。
みんな、絶対、笑ってる。


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2013.09.16

せち‐がら・い【世知辛い】

[形][文]せちがら・し[ク]
1 世渡りがむずかしい。暮らしにくい。「―・い世の中」
2 金銭に細かくて、けちだ。抜け目がない。「―・い商法」(提供元:「デジタル大辞泉」)

中学生のときだった。担任の教師は、ホームルームだろうと、自分の授業中だろうと、つねにボヤいている人だった。何かに怒っている人だった。

その日も、小声でブチブチと怒りながら、
「宿直室の冷蔵庫に、アイスが入っていた。見たら、ある教員の名前とともに『勝手に食うな!』とマジックペンで書いてあった」
と言った。
学校の中で、そんなみっともないことをするな、と言いたかったんだと思う。アイスに名前を書いておかなきゃ食べられてしまう、学校社会に怒っていたんだと思う。

しかし。
僕は、まず、学校の中に冷蔵庫があったことに驚いた。そして、そこにアイスが入っていたという事実に驚いた。
その教師が誰なのかは、だいたい見当がついた。イヤな教師だった。いかにも、そんなことを書きそうだった。

しかし、生徒に向かって愚痴る内容でもないよなぁ。オレたちに言われてもなぁ。と、思った。
そして、「教師は、アイス食えて、いいな」と思った。

そして、担任教師は、なぜそのアイスを手に取ったのだろうか? と考えた。
「誰だ、学校にアイスを持ち込んだヤツは!」と、正義の心が沸いたのか、はたまた「お、アイスじゃん。どれどれ」と手に取ったのか。
どっちだったんだろう。口ぶりは前者だったけど、案外、わかんないよねー。

ただ、今だからわかることがある。
あのとき感じた、「なんだかなあ」という気持ちこそが、「世知辛さ」だったのだ。
僕は、中学2年生のときに、はじめて「世知辛い」を体験したのだった。

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2013.08.25

ペンギン異例の申し立て「暑かったら脱げばいい」

この夏の酷暑に耐えかねた若者たちが、全国で次々と飲食店やスーパー等の冷蔵ケースに逃げ込む事態に対して、全日本ペンギン連盟(全ペ連・本部千葉県鴨川市)が公式な見解を表明した。
「われわれだって、夏は暑い」「暑かったら脱げるだけマシじゃないか」といった、人類に対する批判とも受け止められる内容に、波紋が広がりそうだ。
もっとも同連盟内でも意見のくい違いはあるようで、タカ派とハト派の存在が確認されているが、全日本タカ連盟(全タ連)および全日本ハト連盟(全ハ連)からは、非公式ながら「あいつら、鳥なのに飛べないよね?」と挑発的な発言もみられ、鳥類と人類をめぐるさらなる混乱が予想される。(2013.08.23.共同通イ言)

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