ひとくぎり
3/14は、わが家の引っ越しでした。
最後の部屋に暮らし始めたのはシングルファーザーとして子育てを始めた12年ほど前。このたび晴れて息子二人は東京に二人だけの部屋を借りることになり、僕も転居。実家で老母と暮らすことになりました。子育てが終われば親孝行。順番だから。
10年以上住んだ2DKのアパートは、業者さんがうんざりするくらい荷物が増えていました。
まず朝の8時に子どもたちの便がきて、あっという間に出発しました。
荷物が半分になった部屋で午後の便をひとりで待っていました。案外広かったんだなー。
それまで、自分の新しい生活の準備や、新しい仕事への不安が先にたって、子どもたちと離れて暮らすことになることをリアルには想像していませんでした。
「まあ、いずれは独り立ちしていくんだし」くらいの気持ちだったのです。
ところがひとりになってみたら急に、「そうか、あいつらはもう帰ってこないんだ」と気がつきました。
部屋のあちこちに三人で暮らしてきた思い出が残っていました。身長を測った柱の跡。彼らが大好きだったおもちゃの部品。川の字で寝ていた部屋の天井の模様。
急にさみしくてさみしくて、たまらなくなりました。
夜には三人でホルモン焼き屋さんとカラオケに行きました。三人が好きだった歌をたくさん歌いました。斉藤和義、ブルーハーツ、キヨシロー、エレファントカシマシ…。あっという間でした。
別れ際に次男が泣きながら抱きついてきて(カラオケの間から彼はずっと泣いていました)、「これまで育ててくれてありがとう」と言ってくれました。長男は少し離れたところで居心地悪そうに下を向いていました。
その夜は、どうしたのかと思うくらい涙がとまりませんでした。
新しい生活を始める息子たちへ。
自分を律することを忘れないでください。自由とわがままの境目を見極めて、迷ったときには自分に厳しいほうを選びなさい。
常に人の気持ちを思いやって先回りする、いまの君たちのいいところを忘れないように。支えてくれる人があっての自分。おごりそうになる自分をいつも戒めなさい。
そのためにも規則正しい生活と健康は大切。起きること、寝ること、食べること、出すことをおろそかにしないように。
君たちのことを信用しています。でも離れていると心配するから、ときどきは連絡をくれるとうれしい。それと、いつでも帰っておいで。
まだまだ教えてあげなきゃいけないことがたくさんあるような気もしますが、いつまでもそういうわけにもいきません。
二人の人生がこれからどんな歩みであろうと、父さんは変わることなく君たちの味方です。永遠にだ。
長い間、変則な親で不便をかけたかもしれないね。まあ、勘弁してくれ。
また
一緒にご飯を食べたりしよう。思い出話もしよう。楽しみにしています。
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「フォークでロックでパンクな主夫」というこのブログのタイトルどおりの生活は、これをもってひとくぎりとなりました。おいおい変更しなくちゃね。
Life goes on.
君たちも、僕も。
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